「吹き上がる音の熱――『BLUE GIANT MOMENTUM』でしか描けない、ジャズという闘いの瞬間」

「音で勝つしかない」

静まり返るホール。張り詰めた空気の中で、一人のサックス奏者が深く息を吸い、そして音を放つ。その瞬間、空間が震える――その中心に立つのが、宮本大だ。

『BLUE GIANT MOMENTUM』(作:石塚真一)最新巻では、アメリカで開催される世界的ジャズコンペ「インターナショナル・ジャズ・コンペティション」が舞台となる。日本から飛び出し、今や世界の舞台に挑む大の姿が、かつてない迫力と情熱で描かれている。

2次予選の舞台は、ジャズの聖地アメリカ。その舞台に立つためには、音源審査という見えない壁を超える必要がある。大はそれを突破し、13人の選ばれしサックスプレーヤーの一人として、ステージに立つ。ここから始まるのは、ただの競技ではない。“音”という抽象的でありながら魂をむき出しにする表現による真剣勝負だ。

今巻はとにかく“熱”が凄まじい。各プレイヤーの音がぶつかり合い、観客だけでなく読者の心にも火を灯す。ジャズという即興性と自由を愛する音楽を、「勝敗」という厳しい枠に押し込んだとき、それでもなお滲み出る個性と信念。これは競技であり、芸術であり、魂の競演なのだ。

宮本大というキャラクターの圧倒的な情熱と真っ直ぐさは、ページをめくるたびに心を打つ。彼は技巧でも理論でもなく、“届ける音”にすべてを賭けている。それゆえに、ライバルたちの技術に圧倒されながらも、彼の音が会場全体を包み込む瞬間は鳥肌が立つほどの感動を与える。

石塚真一氏の描く演奏シーンは、もはや“音が聴こえる”と評されるほどの臨場感。手に汗握る演奏描写、プレイヤーの視線や指先の緊張、汗が滴る瞬間、すべてがジャズそのものである。そして何より、音のない“漫画”という媒体でここまで音楽を感じさせる表現力に、改めて驚嘆せざるを得ない。

周辺展開としては、各巻発売ごとに実在のジャズプレイヤーによるコラボライブや、作品インスパイアのオリジナル音源配信が行われており、読後の余韻を実際の音楽で味わえる仕掛けが嬉しい。

SNSでは「#BLUEGIANTを聴け」というタグが再び盛り上がっており、漫画とリアルジャズシーンを結ぶ架け橋として機能している。ファンの間では「この作品からジャズを始めた」「楽器を買った」という報告も多く、その影響力は計り知れない。

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言葉では届かない思いを、音で伝える。そのために命を削る若者たちの姿がここにある。

『BLUE GIANT MOMENTUM』は、音楽と情熱と、己の全てをぶつけ合う“闘い”の物語。ぜひ、その音を、ページから感じてほしい。

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