「氷上で交差する情熱――『メダリスト』が描く、努力と憧れのリアルリンク」

「負けたくない。でも、あの演技に惹かれたんだ」

リンクサイドの静けさが、二人のスケーターの心音を際立たせる。ジュニアとノービス、異なるクラスにいるいのりと光が、同じ大会で初めて“直接対決”を迎える時が来た。

『メダリスト』(作:つるまいかだ)は、フィギュアスケートを題材にしながらも、スポーツ漫画の枠を超えたヒューマンドラマの傑作だ。今巻では、ジュニアのいのりとノービスの光という二人の成長軌跡が、いよいよ一つの舞台でぶつかり合う。

いのりは、過去に光に敗れた経験を胸に、自らの滑りを信じて“勝ち”にこだわる。対して光は、迫り来るライバルの存在を感じながら、さらなる進化を求めて、メダリストであるライリー・フォックスのもとへ師事する。両者の内に宿るのは、単なる勝敗を超えた“目指すべきスケート”への執念と敬意だ。

今回の巻では、スポーツ競技の厳しさと美しさがより色濃く描かれる。大会当日、いのりの先輩・いるかが練習中に怪我をするというアクシデントが発生。いのりは精神的な重圧のなかでも、自分の滑りを信じて氷上へ向かう姿が心を打つ。

つるまいかだ先生の圧倒的な画力が生み出すスケートシーンは、まさに圧巻。リンクの冷たさ、衣装の光沢、選手の緊張感までもが伝わってくる。読者は、ただの観客ではなく、リンクに立つ者の感情を体感できる。

また、競技だけでなく、選手たちの家庭環境や人間関係にも丁寧にフォーカスされており、読者は彼らの“人生”を応援する気持ちになる。親との確執、仲間との支え、孤独と挫折――すべてがリアルで、だからこそ滑走の一瞬に込められた感情が重い。

最新巻では、いのりと光だけでなく、彼らを支えるコーチや家族の視点も描かれ、物語に奥行きを与えている。とくに、ライリー・フォックスとの練習風景は、トップレベルの技術とメンタリティが学べる描写として非常に価値が高い。

周辺展開としては、特典付きの店舗別限定カバーや、コラボクリアファイルが注目されており、フィギュアファンやアニメファンにも響く仕様となっている。さらに、スケートイベントとのタイアップ企画も実施され、作品世界と現実のリンクがどんどん広がっているのも魅力だ。

今作を試し読みできる公式サイトはこちら:

ebookjapanでは、試し読みとともに過去巻のおさらいキャンペーンも展開中。初見の読者でも入りやすい構成となっている。

氷上で表現されるのは、単なる技術ではなく、夢や挫折、希望や恐怖といった“生き様”そのものだ。

『メダリスト』を読むということは、ただページをめくるだけでなく、彼らと一緒にリンクを滑ることなのかもしれない。

次のページで、きっとあなたも彼らの“跳躍”を感じることになる――。

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